WBC相談成功事例

貿易・海外取引上の重要事項 <ワンポイント講座>
1)決済条件について
一定額以上の輸出取引では代金回収保全のためL/C(信用状)決済が望ましいといえます。相手がL/Cを開設できない等の場合はT/T送金(電信送金)による決済になりますが出荷後回収する条件では、相手が代金を払わないリスクが非常に大きくなります。契約確定時に契約額の大半の金額と、出荷後に残り部分を回収する“分割回収”とする事でリスクを軽減する方法が取り得るベストの策となります。しかしこの場合、残り部分の回収リスクがある事は念頭に置く必要が有ります。
また輸入取引の場合、全額あるいは大半の金額を前払いした場合、商品が出荷されないリスクが有るので、分割払いとし、前払い部分を出来るだけ少なくする交渉が必要になります。多額の取引の場合はやはりL/Cを開設して決済する事が安全です。
2)契約書作成の重要性
多額の契約ではない場合でも、双方の義務を文書化し、万一問題が発生した場合の権利留保とリスクの回避策を講じておく事が必要です。最低限の条件としてa) 価格、数量 b) 納期 c) 支払い条件 d) 品質保証条件 e) クレーム処理条件 f)不可抗力条項 g) 仲裁裁定条項 h) 準拠法 が考えられます。また、高度な技術を包含する機械・機器類の輸出の場合、知財保護条項の設定が必要です。契約条件は輸出、輸入に共通した事項ですから、輸出、輸入それぞれの立場から適宜内容を変更する事も必要です。なお動植物、食品、木材を除く輸出品(技術を含む)については、大量破壊兵器拡散防止条約に基づく輸出貿易管理令及び外国為替令によるリスト規制及びキャッチオール規制への該当、非該当のチェックも必要になります。
3)不十分な契約で取引すると・・・ある相談事例
香港企業にインテリア製品を製造委託しているが、たびたび納期遅れがあり、その都度督促し、ある程度の遅れの場合は納入先に説明し了解をもらって対処してきました。しかし今回大幅な納期遅れがあり、数百万円の遅延損害金を請求し請求額の半額の支払いで合意しましたがその後相手とは音信不通になりました。
このようなケースの場合、どのような対応策があるでしょうか?
この種のトラブルを法的に解決する事を規定した契約書が無い場合は、現実問題として打つ手が無いのが実情です。また、契約書に規定したとしても裁判に持ち込めば長期の期間と多額の費用がかかるのは避けられません。一つの防衛策として、全額を前払いするのでは無く、一部を後払いにしておき、このような事態が発生した場合は、その損失額に充当するといった取り決め(契約条件)にしておく事も必要になります。
4)輸入手続きの流れと知っておくべき法規制等について
■輸入手続きの流れ
輸入手続きは下記のような手順で行います。もれがないか、チェックしましょう!
(1)市場調査
ニーズ、市場性/将来性/新規性/技術力などについてチェックします。
輸入商品が売れるかどうかの事前チェックになります。
(2)輸入相手先(=輸出者)の調査
取引相手先の吟味、選定を行います。品質、ブランド、価格、趣味志向、アフターサービスが大事です。
(3)輸入に当たっての我国法規制の確認
輸入禁制品、輸入割当品目、許可・承認を要する品目、地域、検査の有無、関税制度、関税率など、輸入にあたっての法規制について確認が必要です。
(4)国内販売に当たっての法規制
表示制度、資格/免許等の要否など
(5)成約(契約締結)
(6)代金決済
(7)引渡(船積)
■輸入に当たっての法規制
特に食品類の我国への輸入について多くの法規制等があります。
ここでは食品類輸入にあたっての主要な規制等をあげます。
| 品目 | 法規制 | 必要となる検査など |
|---|---|---|
| 食品全般 | 食品衛生法 (原材料、添加物、残留農薬、食器類、おもちゃ類) |
食品衛生検査 |
| 畜産物類 | 家畜伝染病予防法 | 動物検疫 |
| 農産物 | 植物防疫法 | 植物検疫 |
| 酒類 | 酒税法 | |
| 健康食品 | 薬事法 | 食品衛生検査 |
| 税関検査 | 税率 | |
| 希少価値の動植物 | ワシントン条約 |
■国内販売に当たっての法規制(輸入通関後)
- 食品衛生法/JAS法に基づく「品質表示基準」
- 計量法
- 酒類販売免許制度
我国への輸入及び販売にあたっては、製品毎に、色々な法規制があります。これは日本国特有のものではなく、世界各国どの国でも同様な法規制を設けているわけです。
これら法規制は、決して難解なものではありません。きちんとあらかじめ確認し認識した上で、その法規制にそった製品を輸入することが重要です。

